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理想の靴下と心構え
靴下の条件
すべての繊維製品の中で、ものづくりの最も難しいものの1つが靴下です。 足の裏には6万もの汗腺があり、歩けば踵(かかと)には体重の1.8倍もの圧力がかかります。靴下は、そんな過酷な条件を、その身一つで引き受けています。ですからそのものづくりには、素材の選定にはじまり、それぞれの段階で非常に高度なノウハウが要求されるのです。 また靴下は、直接身につける「肌着」であるとともに、おしゃれを楽しむ「外着」でもあります。履き心地や肌ざわり、伸縮性、耐久性といった機能的な面だけでなく、ファッション性やトレンドも、バランスよく取り込んでいかなければなりません。 愛される靴下であるためには、こうしたいくつもの条件をクリアすることが求められています。
タビオの目指す靴下
ただどんな素材や形、色、柄であろうとも、それが靴下である限りは、靴下として、決して変わることのない価値があるはずです。私たちが目指しているのは、そうした変わることのない価値をきちんと備え、たくさんの人たちに、長く愛してもらえる靴下です。 例えて言えば、はっきりとは分からないだけの数の靴下を抱え込んでいても、実際に手に取っているのは、決まったお気に入りのいくつかだけ。それを繰り返し、順番に履いているはずです。 私たちがつくろうとしているのは、そんないつも手に取られ、繰り返し履いてもらえる靴下なのです。
理想の靴下
そんな私たちが理想としている靴下は、「第2の皮膚」ともいうべきものです。 真綿でやさしく包み込むような、履いていることすら忘れてしまう自然な感触。足のシルエットが無理なくスーッと、きれいに現れるような、しなやかなフィット感―。 この理想を実現するのは、たやすいことではありません。半世紀以上も靴下づくりに没頭してきたプロの中のプロでも、思ったようには辿りつくことができずにいる境地です。 そこに少しでも近づくために、私たちは研究を重ね、最高のものづくりを追求しようとしています。
Made in Japan
理想の靴下を追求し、実現してゆくためのこだわりは、Made in Japan へのこだわりでもあります。 他の多くの製品たちと同様に、靴下でも、ものづくりの現場がどんどんと海外に移りました。ですが私たちは、タビオが目指す靴下をつくるためには、技術と品質の両面で世界最高と謳われてきた日本の靴下工場、とりわけ熟練の技と繊細な感性を併せ持った職人さんたちの力が必要だと考えています。 Made in Japan の名に恥じない、世界最高水準の靴下を、日本のみならず世界の皆さんにも履いてもらいたい。そのために、今日も尽きないこだわりと、職人さんたちの熟練の技がフル回転している。それが私たちのものづくりの現場です。
心構え
「靴下は自ら選ぶことのできない、過酷な生涯を送る。 この小さな命に温かい愛情と、細やかな配慮をするのは職業人として当然の心構えである」。 楽しい仲間に囲まれて、楽しい仕事ではありますが、私たちは素材選定から出荷まで、背筋を伸ばし、「ニコニコ顔の命懸け」で靴下づくりに取り組んでいます。