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「フィンランドの幸せの秘密」
vol.2 自然
世界幸福度ランキング4年連続1位のフィンランド。
ムーミン、サンタクロース、オーロラ、四季、
デザイン、SDGsランキング世界一の国でもあります。
実はフィンランド人はおうち時間
「Kotoilu」(コトイル)も上手!
フィンランド人の暮らしにまつわる
6回の連載を通して、フィンランドで生まれ育った人の
立場から、自分の経験に基づいて、
みなさんに紹介していきます。
みなさんの暮らしやおうち時間が
少しでもハッピーになりますように!
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Laura Kopilow(ラウラ・コピロウ)
フィンランド、エスポー出身
フィンランド大使館商務部 商務官
ファッション・ライフスタイル担当
フィンランドのインテリアやファッション企業の日本でのビジネスをサポートし、
日本のメディアやイベントでフィンランドのライフスタイルを広める活動を行っている。
2020年3月放送の日本テレビ「世界一受けたい授業」にラウラ先生として出演。
趣味はパフェとランニング。サウナも日課。
フィンランド人と森の
深い関係について。
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母に「一番幸せを感じるのはどんな時ですか?」
と聞いたら、返ってきた答えは
「森で散歩する時。散歩中にきのこを見つけたらもっと幸せ」
フィンランドは、実はキノコとベリーは採り放題!
そしてゼロ円。
ベリーとキノコの前に、
フィンランド人と森の深い関係について。
フィンランド人は小さい時から、
春夏秋冬、自然と一緒に生きています。
フィンランド人にとっての自然は森と湖を意味します。
というのは、フィンランドの森林面積が75%以上なので、
世界一の森林国です。さらに、湖が国の10%なので、
「森と湖の国」とも呼ばれています。
実は英語でよく「1,000の湖の国」と紹介されることもありますが、
湖は1,000の168 倍の168,000!
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(サマーコテージがあるフィンランド最大の湖「サイマー湖」。フィンランドの祖父母は夏になると毎日この森と湖の景色を見て過ごしています。)
首都ヘルシンキにも森があり、
その一部は自然保護区となっています。
港町なのでもちろん海もあります。
フィンランド人にとって、自然と、特に森は、
当たり前のような存在。日常生活の一部です。
散歩にでかけたり、友達とベリー摘みをしたり、
あまり考えずにふと思った時に森に入ったりします。
フィンランドでは、
焚火の火をつけるのは大人の基礎知識です。
日本ではきっと「アウトドア派」になりますね。
フィンランド人にとって、
自然はあまりにも身近なものなので、
「アウトドア」「レジャー」だと考えないし、
「出かける」場所でもありません。
それよりも、フィンランド人は自然と一緒に生きています。自然と共存しています。
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(フィンランドの妹がこの景色を見ながらリモートワークしています。)
フィンランド人の多くはサマーコテージを持ち、
夏の間そこで生活しています。
典型的なサマーコテージは、
サウナと、家族によりますが、
小さなキッチン、リビング、寝室があります。
サウナと更衣室だけのコテージもあります。
というのも、サウナさえあれば、
簡単な調理も体を洗うことも温めることもでき、
隣に更衣室があれば寝ることもできるからです。
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(サマーコテージのサウナ。フィンランドのサウナは日本のお風呂のような存在で、温度調整は自分でできますので、私は生後10ヶ月ぐらいから入っています。)
家族のサマーコテージは、
とても一般的な自分で建てたコテージで、まさに、
自然と一緒に生きることを思う存分楽しめる場所です。
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(家族のサマーコテージ。「サマー」(夏)の間はここで自然と一緒に暮らします。)
シャワーがないので、サウナに入った後に、
シャワー替わりに湖に飛び込みます。
フィンランドの水は世界で一番ピュアなので、
髪の毛の仕上がりがとっても良い。
サマーコテージの一番の楽しみはベリー摘み!
そしてキノコ狩り。
フィンランドでは、ベリーとキノコは採り放題、
お金を払う必要もありません。
というのは、自然の恵みはみんなのものという
昔からの習慣があり、「自然享受権」という権利です。
旅行者であっても同じ権利がありますので、
ベリーとキノコが採れる時期にフィンランドに
旅行する時にはぜひフィンランドの
森の恵みをお楽しみください!
でも自然のものなので、ある時とない時があるので、
心の余裕を忘れずに。
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(フィンランドの定番デザート、ベリーたっぷりの「Marjarahka(マルヤラフカ)」。苺とラズベリーは市場で買ってきて、ビルベリーとリンゴンベリーは森で摘んできたもの。)
フィンランドには野生のベリーが約50種類で、
そのうち食用は37種類。
そして、ベリーはフィンランド人にとって、
果物ではありません。
ベリーと果物を別ジャンルとして考えます。
それもあって「一番好きな果物は?」と聞かれた時に、
つい「林檎」と答えてしまいそうですが、
本当は「ビルベリー」(ブルーベリーの原種)です。
日本歴10年でも、
ベリーを果物として扱うのはなかなか慣れないのです。
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ベリーとキノコが採れる時期は短く、
冬が長いので、夏の間はたくさん採ってきて、
冬の間にも楽しめるように保存食として冷凍します。
ベリー専用冷蔵庫を持っているのも普通で、
実家にもあります。
日本から帰国する時には真っ先に
その冷凍庫で宝探しをします!
キノコはサウナで乾燥させたり、
塩漬けしたりして、冬の間に少しずつ大切に食べます。
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(この日の収穫は当日分のみでしたので、保存せずに、バター焼きにして食べちゃいました。)
私はヘルシンキの隣町エスポー
(東京からすると千葉のようなところ)出身ですが、
日本の人気映画「かもめ食堂」のロケ地にもなっている
ヌークシオ国立公園があるところです。
小さい時からヌークシオで遊んでいるので、
どれだけ贅沢かというのは
都会に引っ越してから気づきました。
自然は当たり前のようで、
当たり前ではないので、大切にしたいですね。
いつかフィンランドの森で会いましょう!
Moi moi! (モイモイ、フィンランド語でバイバイ)