冬の北海道の農家・酪農家は-10℃にもなる
極寒の中で働かないといけない。
足底の防寒性の低い長靴を履き、
大地からの冷気に苦しめられている。
そんな過酷な環境の中で私たちの食卓に
収穫物を届けるために頑張る
酪農家・農家さんから私たちの元に
『足元が凍(しば)れない靴下を作って欲しい。』
という声が届き制作をいたしました。
酪農・農業靴下に求められた3つの要素
高クッション性
酪農・農業で使われる長靴は、防水性などの機能性が重要視されており、
クッション性という点ではどうしても低くなってしまう。
そのため、靴下でクッション性を強化する事を重要視しました。
ムレに強く
足から出る汗。一日でコップ一杯半。
汗が冷える事で足は冷えてしまう。
酪農・農業の現場ではムレやすい長靴を履く。
それが、作業中の足の冷えに繋がってしまう。
そのため、足の汗をいかに肌から離すかが
大切な要素であり、そのために素材の組み合わせ
編み方でムレに強くしました。
高耐久度
一般生活用途の靴下以上に求められたのは耐久性。
ムレによる不快感を軽減するために使ったウールの
欠点である耐久度をカバーするために摩擦が強い
場所にはリサイクルポリエステルを使用。
また、ウールも2種を組み合わせる事で、摩擦が
かかる部分のウールは耐久性の高いものが摩擦を
受けるように工夫しました。
足底全面パイル
私たちが一番重要としたのは「足底を救う」こと。
酪農家さんが働く牛舎の床はコンクリート。
固く冷たいコンクリートの床が体力を削っていきます。
そのためクッション性の高いパイル構造を採用。
2種のウールをブレンド
ウールは弾性回復力をもたせスポンディッシュな
パイルを形成するために繊維が太くちぢれの大きな
クロスブレッド種と、繊維の太さは23~25ミクロンと
圧倒的に太いストロングメリノとブレンドしました。
希少なアメリカンパイルを使用
パイル靴下の編み機は、希少な機械でのみ作る事が
できるアメリカンパイルを使用しました。
このパイルの特徴としては、通常のパイル靴下
(サンドイッチパイル)は表面とパイルループは同じ
素材を使うのに対し、アメリカンパイルはパイルの
部分だけ別の素材を使うことができます。
足底補強
ワンシーズン破れず履いてもらえる事を目指し、靴下の表面に耐久性の高いナイロン糸を配合し、長靴の擦れによって靴下が傷つきにくく、そしてつま先足底かかと部分にはリサイクルポリエステル繊維による補強を施しました。
サポート機能
農業や酪農において、不整地の使用は前提条件。
そのため靴下のズレを防ぐため土踏まずに
サポートを挿入。長靴での利用時にも
靴下のズレが最低限になるようにいたしました。