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「フィンランドの幸せの秘密」
vol.6 クリスマス
フィンランドと言えば、ムーミン、オーロラ、
サンタクロースでしょうか。
サンタクロースの故郷、フィンランドでは、
クリスマスは1年の中で最も重要な年間行事。
最も重要なイベントだけあって、
毎年恒例なことや素敵な習慣がたくさんあります。
そして案外日本のお正月にも似ています!
今回はそのようなフィンランドの
クリスマスについて紹介します。
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Laura Kopilow(ラウラ・コピロウ)
フィンランド、エスポー出身
フィンランド大使館商務部 商務官
ファッション・ライフスタイル担当
フィンランドのインテリアやファッション企業の日本でのビジネスをサポートし、
日本のメディアやイベントでフィンランドのライフスタイルを広める活動を行っている。
2020年3月放送の日本テレビ「世界一受けたい授業」にラウラ先生として出演。
趣味はパフェとランニング。サウナも日課。
フィンランドのクリスマスとは
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(クリスマスの季節は暗い時間帯が長く、キャンドルのある生活が気持ちいい。写真はつけっぱなしにできる電気タイプのキャンドル。)
まず、クリスマスは一般的に
12月24日から26日までの三が日を指します。
家族とお家で美味しいものを食べたり、
ゆっくり割と静かに祝います。
日本のお正月のようにね。
スペシャルゲストのサンタクロースは
小さな子供のいる(場合によっては大きな子供も)
家にやって来ます!
煙突からでも、寝ている間でもなく、
玄関から入ってきます。
プレゼントを渡してくれて、その1年が
どうだったかについて聞いてくれて、
楽しくみんなとおしゃべりをしてくれます。
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(おばあちゃんのお家にいつも遊びに来てくれるサンタクロース。フィンランドでは日本と同じく家に入る時に靴を脱ぐのですが、サンタさんだけ脱がないのはいつも不思議に思ってきました。)
サンタクロース以外にクリスマスに欠かせないのは
たくさんのご馳走。日本のお正月と同じように、
伝統的なものを用意し、普段食卓に登場しない
特別なクリスマス料理を楽しみます。
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(クリスマス専用の食器はなく、お花やペーパーナプキンをクリスマス色にすることで、食卓にクリスマス感を出します。)
クリスマス料理は種類がとても多く、
紹介しきれませんが、魚が美味しい国なので、
刺身に似ているサーモンだったり、ビーツのサラダ、
じゃがいもや人参など根菜のキャセロール、
ジンジャーブレッドクッキー、ホットワインなどが
一般的です。ハムを食べる習慣もあるのですが、
クリスマス料理はその家庭らしさが現れますので、
我が家は肉が少なく、その代わりサーモンは4種類、
ニシン、お野菜、きのこなど、
みんなのリクエストに沿って献立を組んでいます。
実はお米を食べる習慣もあります。
クリスマス料理の定番「Riisipuuro(リーシプーロ)」は
ミルク粥を意味し、シナモンシュガーを
かけて食べたり、我が家のように
ドライフルーツスープをかけて食べたりします。
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(ドライフルーツスープには色々なフルーツが入っているので、「雑音スープ」と呼ぶことがあります。)
リーシプーロの鍋にアーモンドを1粒だけ入れますが、
それが当たった人は新年がとてもラッキーな1年になると言われています。
うちは3姉妹で、一人だけ当たると喧嘩になりやすく、
3粒入れる年があったり、
入れ忘れた年もありました(笑)
クリスマスはサンタクロースとご馳走以外に、
クリスマスの飾りも大事です。
クリスマスツリーは生のもみの木を飾る家庭が多く、
マーケットで買ってきたり、我が家のように自分の
森から切ってくることもあります。おじいちゃんが
事前に形が綺麗なツリーを下見して来て、24日の
朝に家に持ってきて、それを私と妹二人が飾ります。
フィンランドのクリスマスは静かにゆっくり祝うため、
派手なイルミネーションや飾りはあまりなく、
クリスマスツリーもキャンドル、赤や金を使った
オーナメント、実は天然素材の麦わら、フェルト、
紙などで作った飾りも長年使っています。色合いや
素材は、日本のお正月の飾りと共通点を感じます。
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(私と妹たちは身長が足りないので、星をつけるのがお父さんの仕事です。)
そしてクリスマスと言えば、サウナ!
クリスマスに入るサウナのことを
「joulusauna(ヨウルサウナ)」と言います。
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(クリスマスイブの夜はサウナに入るのが一般的です。写真のサウナはおじいちゃんが作った、薪ストーブであたためる大好きなサウナです。)
フィンランドは、サウナの正しい入り方が人の数だけ
あって、ヨウルサウナも同様です。
私は70度前後のサウナにゆっくり一人で入って、
ロウリュ(※)をかけたり、
岩盤浴のように寝転がって体を温めるのが好きです。
※ロウリュとは、サウナストーンに水をかけて蒸気を
発生させて、サウナの温度を好みに合わせて調整する
フィンランドのサウナ入浴方法。
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(クリスマス飾りは長く大切に使っていて、写真の星はお父さんが小さい時から毎年飾っています。)
最後に紹介したいのはフィンランド式の
忘年会「pikkujoulu(ピックヨウル)」。
クリスマスの前に開催され、直訳すると
「小さなクリスマス」と言います。
日本の忘年会と同様に、友達や同僚と集まって、
美味しいものを食べながら会話に花を咲かせます。
仕事仲間の場合は、労働時間内に行い、
費用を会社が負担することが多いです。
クリスマスが近づいていると、
何だかいつもよりも温かく、優しい気持ちになります。
師走のバタバタ忙しい時期ですが、
フィンランド式にキャンドルを焚きながら
ジンジャーブレッドクッキーやホットワインでも
堪能して、無理なく楽しく過ごしたいですね。
Hyvää Joulua (ヒュヴァー・ヨウルア)!
メリークリスマス!