「フィンランドの幸せの秘密」
vol.5 ギフト

フィンランドと言えば、サンタクロース!
サンタクロースと言えば、ギフト。

次回はフィンランドのクリスマスに
ついて紹介する予定ですが、
今回はフィンランドのギフト文化について。

Laura Kopilow(ラウラ・コピロウ)

フィンランド、エスポー出身
フィンランド大使館商務部 商務官
ファッション・ライフスタイル担当
フィンランドのインテリアやファッション企業の日本でのビジネスをサポートし、
日本のメディアやイベントでフィンランドのライフスタイルを広める活動を行っている。
2020年3月放送の日本テレビ「世界一受けたい授業」にラウラ先生として出演。
趣味はパフェとランニング。サウナも日課。

どのようなタイミングで
プレゼントをあげるのか?

(毎年おばあちゃんのお家でクリスマスを過ごします。ラッピングがカラフルなプレゼントは立派なクリスマスデコレーションになりますので、このように飾っています。)

まずはクリスマス。
クリスマスの贈り物でもっともポピュラーなのは
チョコレート、靴下、パジャマ、そして
本ではないしょうか。

チョコレートは誰でも好きだから
(そしてフィンランドのチョコレートは世界一
美味しいから!※ラウラ調べ)、靴下とパジャマは
クリスマスを家族と家で過ごす人が多いから、
そして本も同じくおうち時間を楽しむのに役立つから。

クリスマスプレゼントを買う時期になると、
ストレスになったり、お金もなくなるので、
「今年はお互い買わないようにしようね」と
家族同士で決めますが、やっぱり買ってしまいます。

好きな人にプレゼントをあげると
自分も嬉しくなりますよね!

(長く大事に使えるフィンランドデザインをプレゼントするのがポピュラー。受験生の時に、受験勉強頑張って!というメッセージを込めて、母からムーミンマグをもらったのですが、今でもお守りにしています。)

クリスマス以外に、お誕生日プレゼントも重要ですが、
「名前の日」というのは知っていますか?

フィンランドのカレンダーを見ると、
毎日誰かの名前が書かれています。
例えば、私の名前の「ラウラ」は毎年1月18日、
ミドルネームの「ヴァレンティナ」は
2月14日のバレンタインデーに記載されています。

「名前の日」は誕生日と同じように、
その人を祝う日です。誕生日に比べると、
そこまで大きく何かをする訳ではないのですが、
ちょっとしたプレゼントや美味しいものを
楽しむ習慣があって、私の家族ではカード、
靴下、ケーキなどが一般的です。

(フィンランドはベリー大国なので、ベリーをふんだんに使ったケーキが人気です。こちらは乳清不使用のローケーキで、妹に選んでもらいました。)

フィンランドと日本のギフト文化で、
面白い共通点がいくつかあります。

例えば一つは、誰かのお家に手ぶらで
お邪魔することはあまりよくないこと。

コーヒーや紅茶、チョコレートなどでもいいし、
キッチンタオルやキャンドルなど実用的で
心地いい暮らしにつながるものも人気です。

小さい時に友達のお家に泊まりに行った時は、
毎回ちょっと値段高めの果物を
父に持たせられた記憶です。
大きな西瓜とか、山盛りの苺とか。

(夏になるとマーケット広場ではこのように国産ベリーが売られています。旬の美味しいものは誰にあげても、きっと喜ぶでしょう。)

もう一つは、ラッピングを丁寧にはがすこと。

包装紙をゆっくり破れずにはがして、
再利用したりすることがあるし、
私はこのプレゼントが当たり前だと思っていないよ、
感謝の気持ちを込めて
ゆっくりはがすのが礼儀正しいとされています。

(フィンランドでは、ラッピングを丁寧にはがし、包装紙を再利用することもあります。)

フィンランドと日本のギフト文化で
ちょっとした違いもあります。

例えば、日本では賞味期限が当日のケーキや
自分で作ったスイーツなどをあげることが
あったりします。旬の美味しい、
一番新鮮なものをあげたい、などといった
素敵な気持ちを持っているからかと思います。

フィンランドでは、当日に食べたいかどうかの
相手の状況は分からないので、すぐに食べなくても
いいもの、相手が本当に食べたいときに食べられる
もののほうがその人の気持ちを配慮していると
されています。フィンランド人が大好きな
持ち寄りパーティーならもちろん大丈夫ですが。

(たまにフィンランドの家族からフィンランドの美味しいものや可愛いものを送ってもらっています。毎回少しずつ違いますが、毎回入っているものも:フィンランドのチョコレートとライ麦で作ったチップス、そしてカルダモンというシナモンロールに入っている大好きなスパイス。)

最後に、
フィンランドの素敵なギフト習慣を一つ共有します。

いつ誰にギフトをあげる時がくるかは
予想ができないこともあるし、ないと困るので、
ちょっとしたギフトを集めておいて、
ギフトが必要になった時にそこから一つ取って、
プレゼントします。このような呼びのギフトを
「varalahja(ヴァララフヤ)」と呼びます。

例えば、セールの時にカラフルなポーチが
安くなった時にまとめて買っておくとか、
小さいタオルを数枚用意しておくとか。

特に日本に住んでいるフィンランド人の
私にとっては、お世話になっている日本人に
フィンランドの贈り物を渡した時は
自分も嬉しくなるので、このような
ヴァララフヤを常備することが重要ですね。

最近フィンランドに帰れていないので、
フィンランドで買っておいたギフトはほぼ
なくなってしまいましたが、幸い最近は日本でも
フィンランドの素敵なものが増えていますので、
日本でフィンランドの贈り物探しをしています。

ギフトをあげる私も、もらった大切な人も、
きっと喜ぶはず!

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